【副学園長コラム】ゲロゲロアップステアーズ
2025.11.08 コラム
だいぶ前だが、私が年少の教室をのぞいた時のお話。
「あら?今朝までここにあったカーペットがなくなっている」と思い、「Where did the
carpet go?」と子どもに聞いてみた。すると一人の子が駆け寄ってきて、息せき切って答えてくれた。
「Aチャンゲロゲロアップステアーズマミーカム」
「ン?」
「Aチャン、 ゲロゲロ、 アップステアーズ、 マミーカム」
彼女は、なんでわからないのかと言わんばかりに繰り返します。
彼女の真剣な眼差しにたじろぎながら考えてみると、なるほどと合点がいった。
翻訳すると、「クラスのAちゃんの具合が悪くなり、ここで嘔吐してしまった。カーペットの上だったので、先生がそのカーペットを片付け、Aちゃんは2階のナースのところに運ばれた。Aちゃんのお母さんがこれからお迎えに来ることになっている」という内容だ。
自分の知っている範囲の言葉を駆使し、知らないところは代替えの擬音語を引っ張り出し、何とか英語で伝えようとする。
苦しんだAちゃんには悪いが、説明してくれた子の対応力にはいたく感動した。
起こったことを他人に伝えようという意思とプリスクールという「場」はEnglish Worldであるという認識がしっかりあるということだろう。
母語が日本語である者にとって第二言語は不自由だ。でもそこで口をつぐんでしまうのではなく、勇気をもって知恵を絞ってトライする姿は、幼児ながら見習うべきものがある。

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